"アメリカ一人旅 ④ (Backpacker in Los Angels)"
「アメリカ一人旅(家賃滞納貧乏旅行)」、事件もありましたがそこそこ平和に終えたサンフランシスコを後にして、「ロサンゼルス (Los Angels)」に移動しました。
観光地としても有名なサンフランシスコと違い、治安の悪いイメージがあったロサンゼルス、でも、映画とロックの街でもあるロサンゼルス、期待と不安を抱えながらも高いテンションでロサンゼルスに向かいました。
Greyhound Bus Terminal in L.A.
降り立ったロスのターミナル、そこからダウンタウンまでは経費削減のために歩いて向かいました。どうやらその付近は倉庫などの多い地区で、到着した16:00頃でも人の気配は少なかったと記憶してます。
「地図を見ながらさまよい歩くのはcoolではない」という個人的なこだわりがありまして、バスの中で地図を頭に叩き込んで、いかにも「旅慣れています、迷いなんてしませんよ」という体裁を取り繕いながら歩いていました(苦笑)
なんとなくではありますが、ダウンタウンに向かっている気配を頼りに歩いていると、ある広い公園に行き当たりました。
こんな風に鉄柵で囲まれた公園、「そうそう、こういう感じの公園でストリートバスケしてたりするんだよなあ」と密かに嬉しくて、公園のベンチに座りMarlboroを吸いながら体に悪そうな発色のGatoradeを飲みました。(ステレオタイプの塊ですね)
しばらくすると、公園の向こうに人が集まり始め、そのうちたくさんの椅子も並び始めました。それをなんとなく眺めていると、一人の小柄なおばあさんが僕に近づいてきて、笑顔のまま、無言で僕の手を握りその人々の輪に連れて行かれました。
いくら治安の悪いLAでも、おばあさんが犯罪に巻きこむことはないだろうと(笑)、とりあえず席に座りイベントが始まりました。
そのイベントは「*A.A.」のオープンミーティングでした。
*Alcoholics Anonymousの略。1935年にアメリカで始まった飲酒問題を解決したいと願う相互援助・自助グループの集まり
そのミーティングでは、何人かの参加者が集まった人々の前に立ち、「過去私はどうだったか、そして飲酒が原因で何が起こり、いまはどうなのか」「今日一日私は飲まない生き方を実践できました」という独白をし、参加者が皆拍手を送り合い、お互いの自助を認め合っていました。
おそらく30分から1時間近く続いたミーティングの終わりには、参加者全員が手をつないで輪になり(僕も!)、飲酒依存を断ち切る旨の宣誓をし、最後には全員で拍手をして終わりを迎えました。
終了後、先ほどのおばあさんが再び近づいてきて、ウインクとクッキーをくれました。
後で知ったことですが、アメリカの飲酒依存(Alcoholism)はかなり深刻な社会問題であり、そのようなミーティングが全米各地で行われていたようです。「アメリカでA.A.のミーティングに参加する」貴重な体験ができたなあ、と一人で悦に浸っていました。
その後もしばらくその公園で無為な時間を過ごし、夕暮れ時になりすっかり薄暗くなっていたので、ダウンタウンに向かい歩くことにしました。
そこから2ブロックほど歩いていると、どこからともなく上空からヘリコプターの轟音が聞こえ始めました。その瞬間、思わず「ニヤリ」とした自分は馬鹿です(笑)
Helicopter of L.A.P.D.
当時、日本の民放で「ロサンゼルス市警24時」のようなTV番組がありまして、その中で必ず出てくるのが、「 L.A.P.D」と大きく書かれたヘリコプターが上空からサーチライトを照らしながら巡回しているシーンでした。
クールに「自分探し」とは銘打ってはいるものの、そんな光景でテンションが上がる、、、若干21歳の僕、やはりその程度だったのでしょう。
その上空を見ながらしばらくブロックの角に立っていると、後ろから誰かにふと声をかけられました。
振り返ると、そこには、レスラーのように分厚い胸板、見上げるほどの高い身長、そして腰には黒光りする拳銃を据えた、「L.A.P.D」が立っていました。いわゆる、「警察官」です(笑)
その彼は、とてもにこやかな笑顔で、ゆっくりと
You are now in very very safe area. So please go away from here.
なるほど。僕はとても「安全な」地域にいるのですね。しっかり意味がわかりました(笑)
実は、ロサンゼルスの滞在中、何も日記をつけていません。それだけ色んなことが起きたわけですが。。。。
続きは、次の投稿で書きたいと思います。