予備校講師のつぶやき 〜教育改革がいきる力を育む〜

地方在住の予備校講師(英・国・小論文) STARWARSが何より好き (SNOOPY、チェブラーシカは別格扱い)

"算数チャチャチャ"と教育改革

午前中、NHKの「みんなのうた」で流れた曲「算数チャチャチャ」

バックの映像にまずノスタルジーを感じ、そのコンテンツにもまた衝撃を受けました。

 

 


算数チャチャチャ

 

「算数」と言いながらコンテンツは「数学」(笑)。

しかし、1973年の放映当時、小学生の中でも流行し、今まで何度も再放送の要望があったそうです。

 

 

 

 

これを見て、中学時代にある本で出会った『あるかけ算』を思い出しました。

筆算は必要ありません。やり方は簡単、ただ「線を引く」だけです。

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やり方

①かけ算をしたい最初の数字の大きい位から順に斜めに線を引く

②次の数字も大きい位から順に、①の線に交差するよう斜めに線を引く。

③あとは、エリア毎の交差した点の数を左から順に並べると答えが出る。

(この場合、1・2+3・6、つまり「156」)

合理的かつ原理もシンプル、おそらく、古代インドのやり方だと書いてあった記憶があります。

 

 

 

あと、20年前のアメリカ一人旅中に"El Paso"で出会ったDavidというおじいさんに教えてもらった『あるかけ算』も紹介します。

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 このやり方は、6~10の数字を使ったかけ算ができます。

やり方  「7×8」の場合

① 図のように、6〜10の数字を、小指を6・親指を10として割り当てる。

② かけたい2つの数字の、左手・右手の指をくっつける(左手7 ・ 右手8)

③ くっつけた指を含め、そこから下にある指の数の合計に10をかける

  (この場合、左手2本・右手3本なので「5×10=50」)

④ くっつけた指を含めず、そこから上にある左右の指の数をかける

  (この場合、左手3本・右手2本なので「3×2=6」)

⑤ ③と④を足した数が、かけ算の答え(「50+6=56」)になる。

 もちろん、九九を使った方が早いでしょうが(笑)
 
 
 
 「算数・数学」この学問は、古代ギリシア、ローマ、エジプトなどの古代文明の時代にさかのぼり、「自然の法則を知りたい」という人間の原始的な欲求が生み出した学問です。つまり、目の前の現象のプロセスを「問う」「解き明かしたい」という本能的とも言える衝動、それが体系化されたものです。しかし、日本の教育、特に、高校教育では、その面白さ・奥深さを伝え切れていません。
(僕の職場の数学講師にも「こんなことも分からないのか?!」とバッサリ切ってしまい、数学嫌いを量産するポンコツ講師もいます。。。(怒))
 
「文系・理系」という、日本独自の分割方法、それにより、自然科学・社会科学・人文科学の総合的な知識体系がなおざりにされ、「受験」に必要な知識・技能のみを習得するというものになってしまっています。
 
2020年からの教育改革の目玉の一つ「高大接続システム改革」、そこで目指すのは「教科をクロスオーバーした知識」「グローバル人材の育成」、偏りなく俯瞰で世の中を見る視点、また、自分自信の価値・生きがいについて自由に思考できる視点、そのために必要とされるのはリベラルアーツの体得だと思っています。

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僕は、このコンセプトで、今までの講師人生の20年、すべての生徒達に接してきました。公教育、そして僕の所属する「教育」業界、もっと考えやるべきことがあります。

 

「算数チャチャチャ」を現代版に復刻し、「英語チャチャチャ」「国語チャチャチャ」「理科チャチャチャ」「社会チャチャチャ」と作ってみたいです(笑)