予備校講師のつぶやき 〜教育改革がいきる力を育む〜

地方在住の予備校講師(英・国・小論文) STARWARSが何より好き (SNOOPY、チェブラーシカは別格扱い)

"アメリカ一人旅 ① (Backpacker in U.S.A)"

 

僕は、大学時代、家庭の事情から仕送りがなく、日々の食事もままならないほどの貧乏学生でした。

住んでいた学生寮の家賃は2万円(築35年・4畳・風呂便所共同)、大金の飛び交う京都の花街祇園先斗町のラウンジでチーフ→マネージャへと昇格してしまうほど(笑)、毎晩毎晩アルバイトをして生活費を稼いでいました。

 

しかも、夢を描いて入学した大学の現状が、あまりに理想と異なっており、大学を辞めるか否かというレベルまで人生に迷ってしまいました。でも、両親は「卒業だけはしろ」とお達し、その結果、自分なりの折衷案として、大学には通いながら、昔からの憧れの一つであったプロミュージシャンになることを目標に据え(てしまい)ました。。。

そんなわけで、機材費、スタジオ使用費、音源作成費、ツアー遠征費用などで、ただでさえ貧乏な上に、まるで湯水のようにお金が消えていきました。

 

そんな日々の中、「このままではいけない」という思いが日々募り、何とかその状態を抜け出すためのブレイクスルーを僕なりに模索しました。

 

当時僕は21歳の若さ・青さ、それに、貧困な暮らしをすると目の前しか見なくなる、その「自分の視野の狭さ」をどうにかしたくて、一念発起、

「アメリカ大陸を横断しよう」

と決意しました。

 

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でも、当時は極貧(笑)、旅行資金など全くありません。。。

 

そこで案を練りました

消費者金融からお金を借りる

②知り合いからお金を借りる 

③アルバイトを増やす 

④家賃を滞納する

①と②はもちろん即却下。また、もうその時点で、売れっ子の芸能人ばりにスケジュールいっぱいにアルバイトしていたのでそれ以上増やせませんでしたから③も却下。

仕方ありません、残った選択肢は、④「家賃を滞納する」でした。。。

 

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"水彩の月" 秦基博

映画 "あん”の主題歌になっていた、秦基博さんの「水彩の月」

 

takehammer1102.hatenablog.com

 

ここ10年以上、CDアルバムを買っていませんでしたが、今回の秦さんのNEW ALBUM「青の光景」は迷わず購入しました。

映画 "あん”の最後のシーン、山の向こうに映える「月」、その美しき凜とした月の姿、桜満開の中で「生きる」ことを選んだ千太郎の表情が映し出され、そのまま、この曲とともにエンドロールが流れました。泣きました、、、

秦基博さんの魅力は、メロディーも声もさることながら、ほとんど邦楽を聞かない僕の心に訴えかける「歌詞の力・言葉の力」にあると思います。

 

水彩の月 秦基博

ねぇもしも 君にもう一度会えるとしたら

うまく言えるかな

 

いつかと同じ水彩の月の下でも

またその横顔見てるだけだな

 

話せなかったことがたくさんあるんだ

言葉じゃ足りなくて

僕は君へのこの想いにかわる明日を

あてもなく空に探してるよ

 

近頃はひとりでいてもうつむくことも

少なくなったよ

 

今日の月は優しくて でも寂しくて

君の微笑みとどこか重なる

 

気付けなかったことがたぶんあるんだろうな

ぬくもりに甘えて

僕も静かに悲しみさえも 受け入れながら

君のように今と向き合いたい

 

ただそこにある それだけでいい

君が教えてくれた美しさ

生きてくことに意味があるなら

ただひたむきであれたら

 

手のひらにこぼれるかすかな明かり

いつまでもこのまま消えないでよ

 

話せなかったことがたくさんあるんだ

言葉じゃ足りなくて

僕は君へのこの想いにかわる明日を

移りゆく空に探してくよ 

 

以前の記事↓ 

takehammer1102.hatenablog.com

この記事でも取り上げた「西行法師」の和歌にも、同じような世界観が表されています。

何かを「一年間」待つ、とても長い時間のように感じるかもしれません。

でも、僕は「満月を12回」と考えるようにしています。それだけで、時の移ろいを肯定的に受け入れられる気がするからです。

「水彩の月」、、、僕に絵心があれば、「月」を描いてみたいと思いますが、残念ながら、絵画の神様には完全に見捨てられています、、、

 

このアルバムには、映画"ドラえもん"の主題歌「ひまわりの唄」、映画"天空の蜂"の主題歌「Q&A」も収録されています。

(「ひまわりの唄」の歌詞も、、、何度聞いても響きます(笑)) 

 

青の光景(初回生産限定盤)(DVD付)

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"独裁者 (The Great Dictator)" 歴史に残る名演説

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独裁者(1940)

 

 

Charlie Chaplin final speech in The Great Dictator with English subtitles

 

*この約6分間の演説シーン、編集カットなしのワンテイクで撮影しました(イギリス英語のため、発音も聞き取りやすいのでシャドウイングにも適しています)

 

 

I'm sorry but I don't want to be an Emperor. That's not my business.

I don't want to rule or conquer anyone.
I should like to help everyone if possible, Jew, gentile, black man, white.

申し訳ない 私は皇帝になりたくない
誰においても、支配も征服もはしたくない
できれば援助したい ユダヤ人も黒人も白人も

 

We all want to help one another, human beings are like that.
We all want to live by each other's happiness, not by each other's misery. We don't want to hate and despise one another.
In this world there is room for everyone and the earth is rich and can provide for everyone.

人類はお互いに助け合うべきである、人類とはそういうものである
他人の悲しみではなく、他人の幸福を念願として生きるべきである

お互いに憎しみあったりしてはならない

世界には全人類の生きる所はあり、全人類をを養うだけの富がある

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"チャールズ・チャップリン (Charles Chaplin)" 「喜劇王」の真実

中学時代、反抗期の真っ只中、田舎者の僕にとっての「かっこいい」はヤンキー風スタイルでした。短ランやボンタンに憧れ、遠路はるばる街中までその系統の制服が売ってある店をふらふら(お金もないのに)さまよい、時には、同じような格好をして、無駄に目つきの悪い(笑)連中ばかりが、同じ映画館に吸い込まれていく。上映中の作品は

『Beebop High School(ビーバップ ハイスクール」』。。。

 

そんな時代、実は、「スクリーン」「 ロードショー 」を愛読する映画小僧でした。でも、街中から離れた郊外に住んでおり小遣いもほとんどなかったので、近くのレンタルビデオ屋(レンタル1本が800〜1000円していた記憶があります)で、親に頼んで借りてもらう日々、それらの雑誌には、時折「映画名作リスト」みたいなものもあったので、まず、ビギナーの僕は、そこから抑えようとしましまた。

カサブランカ』『ベンハー』『七人の侍』などを見ていく中、その当時の僕の心に深く残ったのは
 
『チャールズ・チャップリンでした。

"壬生義士伝" 浅田次郎

「歴史」という教科、史実だけをただ羅列したものを暗記し点数を取る、入試としては知識の量・正確さを問うわけで、それで構わないと思いはしますが。。。

「理系に進むのは、国語や歴史という教科が嫌いだから」という理系の生徒が多くいます。また、文系の生徒も、「好きではないが受験科目なので選択している」という生徒も多いのが事実です。

編年体

事実の起こった順に年月を追って記す、歴史書の書き方。

紀伝体

人物伝・列伝を中心に記す、歴史書の書き方。

 小学生の頃、うちの親が買ってくれた数少ない(笑)まんが、「まんが 日本の人物歴史伝」「まんが 世界の人物歴史伝」、これは紀伝体で日本と世界の歴史上の人物をストーリー仕立てで書いてありました。僕は、これを、本当に「穴があいて破れてテープで貼って」のレベルで読み続けていたので(他にまんががなかった、、、)、高校に入るまで、勉強はほとんどせずとも、歴史のテストはいつも高得点でした。

僕は普段の講義の中で、また、休憩時間の会話の中で、「My favorites(本・映画 )」を生徒達にふれ回っています。昨日も、二次試験の個別対策でフラフラになっている(はずの)二人の男子生徒が、そのうちの一冊を読みふけっていました。

それが壬生義士伝」(浅田次郎)です。

 

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〜あらすじ〜

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予備校・塾の存在意義

数年前、東京都教育委員会が、都立高校に大手予備校の講師を呼び、教育内容の改善指導を依頼すると報道がありました。また、佐賀県のある市が、民間の予備校と連携して「官民一体型」の小学校を開設するという報道もありました。

予備校・塾は、一般的に「補習型」と「受験特化型」の二つのタイプに分かれます。「補習型」が、各高校の進度に合わせて、定期テストの対策をメインとします。また、「受験特化型」は、大学合格を目標としたカリキュラムを編成しています。もちろん、その両方をバランス良く組み合わせることも可能ですが、実質的に、上記のいずれかに偏っているのが現状です。(僕の在籍する予備校は、「受験特化型」に属します)

 

その二つのタイプの違いを端的にまとめれば、「補習型=短期目標」「受験特化型=中長期目標」にあると思います。「短期目標」としての定期テストの点数が良ければ、保護者は安心し、また、推薦入試にも有利と映るでしょう。また、「中長期目標」としての大学入試を常に意識することは、より高い目標を目指すことによる保護者・生徒の動機付けとしてうまく機能するでしょう。

 

しかし、保護者・生徒の求める本当の理想は、

定期テスト」の成績も良く、「大学入試」も志望校に合格する

ということだと思います。ただ、それが可能な生徒の割合は、僕の実感で、進学校に通う生徒のうち、おそらく3〜5%程度だと思います。

 

2020年から本格導入予定の「教育改革」、ドラスティックな変化がいくつかある中で、特に「英語教育」における「外部試験の導入(TOEFL・IELTS・TEAPなど)」が一番目を引きます。いわゆる「4技能(読む・書く・聞く・話す)」の習得を中心とした英語習得のスキームに則り、小学校段階から養成した(はず)のツールとしての英語力を大学入試に取り入れ、国際社会の中での「人材競争力」を上げる取り組みです。

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